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【コラム2】 シールドケーブルは何に使うべきか? (インピーダンスの話)
コラム1で「シールドケーブル」について説明し、「シールドケーブルを使うべき機器、シールドケーブルでなくとも良い機器がある」と書きました。今回はその続きです。
音声信号を正しく伝送するためには、「インピーダンス」というものを理解する必要があります。
これが分からないと機器毎にどのケーブルを使って良いのか判断できません。
「ハイインピーダンス」「ローインピーダンス」「インピーダンスマッチング」など、「インピーダンス」という単語はギターやベースの雑誌に頻繁に出てくるので、聞いた事があるという方が多いのではないでしょうか? しかし、実際問題としてインピーダンスの概念を理解するのは難しく、「インピーダンスとは○○のことである」...と、一言で説明できるものではありません。
今回は楽器→アンプ等の信号の伝送に話を絞って、可能な限り難しくならない様にインピーダンスについて説明し、シールドケーブルはどんな機器に使うべきかを書きたいと思います。
よって、電気に詳しい方にとっては稚拙な説明の仕方も有るかと思いますがご勘弁下さい。
1.インピーダンスとは?
「インピーダンスを一言で説明するのは難しい」と言いましたが、それでも無理矢理一言で言い表すと....
インピーダンス = 電気の流れにくさ
....といえます。厳密に言えば「電流の流れにくさ」です。
ですから、
・ハイインピーダンス(インピーダンスが高い)=電気が流れにくい
・ローインピーダンス(インピーダンスが低い)=電気が流れやすい ...という事なのです。
インピーダンスを表す単位には、Ω(オーム)を使います。このオーム数が大きいほど電気が流れにくい回路となります。
| 2.インピーダンスをイメージする |
インピーダンスの言葉の意味は分かっても、「だから何?」という感じですね。 では、機材の接続にインピーダンスがどう関係するのかを、ギターとアンプの接続を例にして考えてみます。 「ギター」→「ケーブル」→「アンプ」を接続するとこの様になります。 ![]() ここで、この接続を川の流れに例えて、水源から水が流れて水路を通って下流の水車を回す様子をイメージしてみましょう。水=「電気」、ギター=「水源」、「ケーブル」=「水路」、アンプ=「水車」 と考えます。 ![]() 更に、この一連の流れを、次の様に考えます。 ・ギターを弾いて電気信号を出力する = 水源から水が流れ出る ・電気信号がケーブルを通る = 水が水路を通る ・アンプから適正に音が出る = 流れてきた水を受けて水車が適正な速度で回る ・回路のインピーダンス = 水の流れにくさ イメージできたでしょうか? |
| 3.ギターとアンプの接続では... |
機器の接続を川の流れでイメージしたところで、実際のギターとアンプの接続について考えます。 じつは、ギターを弾いた時にピックアップが出力する電気は非常に小さいのです。言替えれば、ピックアップで電気を作り出して送り出す回路は非常に電気を流しにくいのですから、「ギターのインピーダンスは高い」といえます。このように、機器の出力回路のインピーダンスの事を「出力インピーダンス」と呼びます。 再び川の流れに例えましょう。ギターの出力インピーダンスが高いという事は、川の流れでは「水源が小さい」といえます。水源が小さいという事は当然「水路を少ししか水が流れない」という事ですね。 ![]() ではこれにノイズが混入したらどうなるでしょうか? ・ノイズ = 砂利が水に混じる …と考えましょう。 ![]() 水源が小さいので水が少ししか流れていないわけですから、水路において水に砂利が混じると、たちまち水は濁って砂利だらけになり、砂利混じりの水で水車は適正に回らなくなってしまいますね。 シールドの説明を読んでくださった方なら、ここでシールドケーブルをを使えば水路での砂利の混入を防ぐ事ができるのがわかりますよね。 ・シールドケーブル = 水路のカバー そう、ギターとアンプの接続にシールドケーブルを使う理由は、「ギターの出力インピーダンスが高く、回路に電気が少ししか流れないため、ノイズの影響を受けやすい」からなのです! |
| 4.シールドケーブルを使わなくても良い機器とは?。 |
では、接続にシールドケーブルを使うつかわなくとも良い機器はどんなものでしょうか? ズバリ、「出力インピーダンスが低く、回路に電気が多く流れる機器」です。 では何故、出力インピーダンスが低ければシールドしなくとも良いのでしょうか? ![]() そうです、大量の水の中に少しくらい砂利が混じっても水がにごらないように、大量の電気の中に少しくらいノイズが混入しても影響がないのです! 代表的なところでは、「パワーアンプとスピーカーの接続」がこの接続にあたります。 以上の理由で、出力インピーダンスが低く、回路に電気が多く流れる機器にはシールドケーブルは必要ないのです。加えて言えば、ローインピーダンスで電気が大量に流れる回路にシールドケーブルを使った場合、電線の容量が足りずに発熱する場合があるので、むしろ使ってはならないのです。(シールドは複雑な構造の為どうしても1本ごとの電線径が細くなるので大きな電気に耐えられない) |
| 5.ハイインピーダンス/ローインピーダンスの見分け方 | ||||||||||||
では、機器の出力インピーダンスはどうやって見分ければよいのでしょうか? はい、市販されているちゃんとした機器であれば、取扱説明書に各出力端子毎の出力インピーダンスが必ず記載されているはずですので、それを参照して接続ケーブルを選んでください。 大まかに機器毎のインピーダンスを分類すると以下です。(例外もありますので注意してください)
まあ、スピーカーとヘッドフォンの接続以外はシールドを使うのが良いということです。 ちなみにダイレクトボックス(D.I.)という機器は、インピーダンスを変換する機器です。D.I.を使うと超ハイインピーダンスであるギターやベースの出力を直接ミキサーに入力したり、アンプのスピーカーアウトをミキサーへ直接入力する事ができます。 以上、シールドを使うべき機器、シールドでなくとも良い機器の説明でした。 (注意:実は入力インピーダンスというものもあるのですが、説明の都合上触れませんでした。) ここまで読んでくださった皆様、おつかれさまでした! |
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