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【コラム3】 スティックについて

一般的に「スティックの違いによってドラムのサウンドに違いが出る」と言われています。
それでは、スティックには一体どのような種類のものがあるのでしょうか?
また、それらのスティックの特徴はどのようなものなのでしょうか?

スティックそれぞれの特徴が分かっていれば、購入時の目安になると思います。
(自分が求めるスティック、ほしいサウンドへの近道になるはずです。)
お気に入りの一本(1組)を見つけて、同じ材質・形状のものをずっと使い続けるもよし。
曲によってスティックを使い分けたり、バンドによって違うスティックを使用するもよし。

スティックについてこだわりをもっている人、もっていない人、それぞれいると思いますが、
ドラマーの必需品スティックについて、もう一度見直してみるのもよいのではないでしょうか?

というわけで、、

このページでは、「スティックの種類とその特徴」について記したいと思います。
(スティック購入時の参考になればと思います。)





≪はじめに≫
 各部の名称について
チップ スティックの先端部分。大きさ、形状は様々。
ショルダー チップ下の細い部分から中央部分に向かって太くなる部分
グリップ スティックを実際に握る部分









1.材質の違い
まずは、材質の違いでスティックを種類分けしてみます。
(木製のスティックは上から3つが一般的です。)


木製のスティック
木の種類 特徴 余談
ヒッコリー ドラムのスティック材料としては最も有名。
重さ、硬さ等バランスがとれていて、扱い安いとされています。(あくまで一般論です。もちろん使い心地は人それぞれ)
クルミ科。主に北米南東部、メキシコが原産。スキー板、ゴルフクラブのシャフトにも使われています。 また、燻製をつくる為のスモークウッドにも使用されるようです。
オーク ドラムのスティック材料によく使われます。
重く
、硬い材質。
値段が安くコストパフォーマンスが高い。
(値段が安めなので「初心者モデル」と思われがちですが、単純に木の値段が安いだけです。)
ブナ科。主に北米原産。ウイスキーの樽に使用するホワイトオークが有名。家具材や建築内装材などにも使用されます。
メイプル ドラムのスティック材料によく使われます。
軽い材質。
ヒッコリーと比べると折れやすい。
(木目によっては一発で折れることもあるので注意して買いましょう)
カエデ科。主に北米、カナダ原産。床材や家具、ギターのネックやバイオリン、ビリヤードのキューなどにも使われています。実はボーリングのレーンもメイプルで出来ているようです。メイプルシロップもこのメイプルの仲間から採れます。
ローズウッド
(紫壇)
ドラムのスティックではあまり見かけません。
クラシックの演奏などに使用されることが多いようです。材質自体にねばりけがあり、バウンドしやすいとされています。
(ローズウッドとシタンは違う材質としてわけて考えられているようですが、詳しいことはよくわかりません。)
マメ科世界の熱帯、亜熱帯地域に広く分布。生木がバラの花のような香りを放つことからこう言われるようになったようです。濃い紫がかった褐色の心材で欧米で古くから家具等に使われてきた木材。
チーク ドラムのスティックではあまり見かけません。
が、販売をしているところがありました。

重量はメイプルと同等、もしくは僅かに軽量だそうです。
クマツヅラ科。主に東南アジア産地。木質にオイル質を含んだ木材で、表面に光沢が有るので、高級家具等で、良く使われています家具のほか、船の甲板用材としても使用されています。十分に乾燥したものは狂いが少なく、虫にも強いとされています。
シナ ドラムのスティックではあまり見かけません。
が、販売をしているところがありまし

軽く柔らかい材質。ヒッコリー材と比較すると約3分の2程度の重量だそうです。
柔らかい割に、しなりが有るので以外と折れにくいのが特徴。

シナノキ科。日本特産。この木の花から採れた蜂蜜はとくにシナ蜜とよばれ良品とされています。
建築器具、合板、箱、箸などの材料として広く用いられ、樹皮は強靱で船綱、布、酒・醤油の袋、蚊帳等に使用されています。北海道のアイヌの熊の彫刻はこの木が使われていることが多いようです。

また、ヨーロッパの方にもヨーロッパシナノ木(セイヨウシナノキ)があり、ソ連の木製人形で段々と小さな人形が一つの人形の中に十数個も入っている人形「マトリョーシカ」の材料もこのヨーロッパシナノ木のようです。 
(ひのき) ドラムのスティックではあまり見かけません。
和太鼓のバチでは使用されることがあるようです。
強度は、メイプルより劣り、シナ材より強いようです。
シンバルレガートのサウンドが独特の響きだそうです。
ヒノキ科。日本特産。有名な日本固有の高級木材です。
とても香りが良く湿度や変形に強い材質です。
建築材、建物の柱、土台、風呂桶、仏像、器具、卓球用のラケット等幅広い用途に使用されます。

・その他のスティックについて
材質 特徴 余談
カーボン 木製のものに比べて5〜8倍の耐久力があるといわれています。 一般的に「C」(炭素)のみで構成された物質を総称して「カーボン材」と呼びます。同じカーボン材の中でもC同士の結合の仕方で、様々な異なる性質を持ちます。このように同じ元素で構成されていても性質が異なるものを同素体と呼びます。たとえばダイヤモンド、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、備長炭、竹炭などはすべてカーボンの同素体です。原子の並び方が変わるだけで、見た目や性質が大きく異なり、使われ方も様々のようです。
アルミ 「AHEAD」のスティックが有名。
頑丈重い
「AHEAD」のスティックは、実際にはカバーをつけて使用するので、ドラムセットを直接金属で叩くことはありません。
それとは別に、アルミ製のトレーニング用のスティックがあります。チップ、グリップにビニールキャップが取付けられていますが、ショルダー部はアルミそのままです。実際のドラムセットではシンバル等を傷めてしまうので、セットでは使用しないようにしましょう。
アルミニウムは金属の中では軽い固体金属とされてますが、「AHEAD」のスティックは「重い」の一言。
純アルミニウムの引張強さ等はあまり大きくありませんが、
違う金属を加え合金にしたり、熱処理等の加工をすることで強度を高くしてさまざまなものに使われています。飛行機や電車、機械部品や建築物の構造材料、缶ジュースやアルミホイルなどにも使われている金属です。










2.チップの違い
次にチップの形状で種類分けしてみます。
ただし、チップの形状は様々です。一般的に分類されている4種類に分けたいと思います。

形状 特徴
丸型 打点によるサウンドのばらつきがなく、安定したサウンドが得られます。
リバウンド(はね返り)も安定していて、ダブルストローク等のスピーディーなプレイでこのチップの特徴が発揮できると思います。
俵型 最もオーソドックスな円筒形のチップ。打点による音のバラつきも少なく、扱い安いと思います。初心者の方にもお勧め。
卵型
(涙型)
打点に対する角度を変えることで、サウンドが変化し、細かなニュアンスを表現できます。(使いこなすにはそれなりのウデマエが必要かも?)
三角型 卵型同様、細かなニュアンスを表現できます。どちらかというと、三角型の方が打点角度に対するサウンドの変化は敏感だと思います。

*チップ部分だけが樹脂で覆われたものもあります(ナイロン製のチップ等)
 木製のものとはまた違ったサウンドが得られると思います。
 また、木製のスティックはチップ部分が欠けてしまうことがありますが、
 樹脂製のものはその心配がないのが利点です。

 その他に、チップ部分がアルミ製の「アルミチップドラムスティック」
 というものもあります。










3.サイズの違い
 つづいて、太さ・長さについてです。

・太さ
太さ(グリップ径)は、13〜16mmのものが多く売られています。
太いものだと、18mmなんてものもあります。
特殊なのもだと、もっと太いものや細いものがあるかもしれません。
特徴
細い 当然ですが、同じ材質・長さであれば細い方が軽くなります。
小音量の演奏や細かいコントロールの必要な演奏に向いています。
太い 太いものは重くなるため大音量の演奏に適しています。その分細い物と比べると、扱うのに筋力が必要になります。また、細かいコントロールの演奏が難しくなります。

・長さ
長さは、390〜420mmのものが多く売られています。
長いものだと、432mm。短いもでは、380mmというものもあります。
特殊なものだと、もっと長いものや短いものがあるかもしれません。
長さ 特徴
短い 長いものと比べると遠心力が小さく、一打ごとのストロークのスピードを上げることができます。速いフレーズが演奏しやすいと言えますが、音量は小さくなり、遠い場所を叩く時に腕全体を伸ばす必要がでてきます。
長い 短いものと比べると遠心力が大きくなります。その分、音量を大きくすることができると思います。ただし、振り遅れを起こしやすいので注意が必要です。
短いものより到達距離が長いため、遠い場所でも楽に叩くことができます。









4.表面仕上げ
実際に手で握るグリップ部分の仕上げについてです。
「ライブ中に、汗で滑ってスティックをとばした!」経験はないでしょうか?
滑りにくさを基準にスティックを選ぶのもありかもしれませんね。

表面仕上 状態
塗料・ラッカー 汗による滑りを防止するため、各メーカーで様々な塗料・ラッカーが使用され、スティック表面にコーティングされています。
ザラつき加工 滑り止めの効果を得るため、表面を多少ザラつかせてあるスティックです。
特殊仕上げ無し 塗料・ラッカーのコーティングをせずに、木の材質のままで仕上げてあるスティックです。表面のザラつき等もつけてないものです。
ウェーブ仕上げ 一般に販売されているスティックでこの仕上げをしていることは無いと思います、、、
が、この仕上げをしてスティックを販売しているところがありました。
スティックを16角形加工後に研磨して仕上げてあります。
更にラッカーを塗布してあるものがります。
*グリップ部分だけラバー等がついているものもあります。
 (これも滑り防止を考慮してのことだと思います。)










5.その他、特殊なスティック
通常使われるドラムスティックの他にこんなものもあります。

ワイヤー・ブラシ 細いワイヤーをブラシ状に束ねたものです。
ワイヤー(金属)の他にプラスティック製のものもあります。また、実際に手に持つグリップ部分も、木製・プラスティック製とあります。

更にグリップの形状は様々なものがあり、ブラシ(ワイヤー)がグリップ部分に収納できるもの、できないものがあります。
また、ブラシの幅を2段階に調節できるのももあり、種類は様々です。


ジャズ系では必須のアイテムで、スティックのように叩く以外に、ヘッド表面を擦る奏法(スィープ)も多用されます。
ティンパレススティック チップやショルダーの無い棒状のスティック。
一般的にドラムのスティックよりも細いです。(大体φ9.6〜12.5mm位)
ラテンパーカッションの「ティンバレス」を演奏するときに使用されます。
ドラムでは、パーカッション的なサウンドがほしい時に使用されます。
ロッド
(ブラスティック)
2mm〜5mm程度の細い棒状のスティックを数本束ねてあるスティック。束ねてあるスティックの太さによって数種類のタイプがあります。
ブラシとスティックの中間的なスティックで、スティックより弱く、ブラシより強いアタックが得られます

ブラスティックでは樹脂製の細いスティックが束ねてあります。
また、付属のゴムリングの可変によってブラシ部分の開き具合も変えられ、音色に変化が出せます。
中心に通常のスティックのようにチップのある細いスティックをいれてあるものもあります。
マレット 先端が丸くふくらんだスティック。
丸い部分は、コルクを芯に、まわりをフェルトで覆ってあり、硬さも何種類かあります。
柄が細く、丸い部分が樹脂製のものや、ゴム、真鋳製のものもあります。
ティンパニーやマリンバ等で使用されます。

ドラムでは、アタック音を抑えた(粒のない)なめらかなシンバル・ロールが欲しいときに多く使用されます。
ブラシ付スティック
(正式な名称はわかりません)
スティックにブラシがついているものです。
(詳しいことはよく分かりません。)
マレット付スティック
(正式な名称はわかりません)
スティックの後部に硬質のフェルトを付けたモデル。
打楽器演奏時、スネアドラムとティンパニーなど移動を必要とする演奏の時に便利です。










7.状態
同じ材質・形状・サイズのスティックでも、木製スティックはどうしても2本の重さが違ったり、反りがあったりします。
どうせ同じお金をだして買うのなら、状態がよいものを選んだ方がお得!

というわけで、一般的なスティックの選び方です。

・平らなところを転がして「ころころ」すんなり転がるものを選ぶ。
  →反りがあるとすんなり転がってくれないので簡単にわかります。

・同じ重さのものを選ぶ。
  →お店によっては「量り」が置いてあるので、貸してもらいましょう。
    量りがない時はしょうがないので、左右の手で交互にもちかえて練習台を叩いてみましょう。
    極端に重さの違いがあるものは多分これでわかります。

・木目をみる。
  →フシ目がなく、あまり多く木目が入ってないものを選びましょう。








≪さいごに≫
色々とスティックについて記してみましたが、参考になりましたでしょうか?

自分の気に入ったスティックを見つけても、如何せんスティックは消耗品なのでずっと使い続けるわけにはいきません。いつかは折れてしまいます。(AHEDAのアルミスティックでさえ折れてしまったのを見た事があります。)

まぁ、最終的には自分が納得すれば、安いものでも、高いものでも、どんなのでもいいと思うんですけど...。
更に「左右で同じものを使わなければならない」という規則もないので、自分オリジナルの組合せでスティックで選んでみても面白いのではないでしょうか?(スティックを2本づつ、計4本使ってドラムを叩いてる人もいたような・・・?)


「スティックの違いで本当にサウンドに違いはあるか?」
という疑問もあると思います。
それについては、実験のページで検証していきたいと思います。


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